トゥーランドット - ジャコモ・プッチーニ (1858 – 1924)
3幕のリリック・ドラマ
リブレット:ジュゼッペ・アダーミとレナート・シモーニ、
カルロ・ゴッツィの戯曲に基づく
1929年4月25日にミラノで初演
2008年9月13日にドイツ・オペラ・ベルリンで初演
推奨年齢:15歳以上
公演について
作品について
国はその王女に恐れおののいている。美しく魅力的な王家の代表であるトゥーランドットは、恐ろしい儀式を司っている。求婚者との結婚だけが暴力を終わらせるが、今までどの求婚者も謎を解くことができなかった。同じ光景が繰り返され、また処刑が行われる。だが、追放された支配者の息子カラフが思いがけず謎を正しく解く。彼はトゥーランドットに仕返しをし、彼女が義務から逃れたいなら自分の問いに答えるよう強いる。プッチーニの時代は急速に変化し、芸術の世界は大きな変革を迎え、現代の体験を反映する新たな抽象的な形態が生まれている。そして作曲家は60代初めにして再び新境地を切り開こうとしている。
プッチーニは生涯の最後の4年間を、カルロ・ゴッツィの童話[1762年]を基にした『トゥーランドット』の作曲に費やした。楽譜は彼の最も豊かで、そして最も不協和音に満ちた作品だった。人形のような中国の可愛らしいイメージのサウンドトラックとは程遠く、この異国情緒あふれる音楽は想像を絶する残酷さに満ちた世界の背景となっている。プッチーニはあらゆる努力を尽くしたが、自身のドラマに決着をつけることはなかった。幸せな結末を疑い続けてきた作曲家は、リウの犠牲とトゥーランドットとカラフの差し迫った結びつきによって作り出した袋小路から逃れられなかった。二人がどうやって共通点を見つけるのかという問いは答えられずに終わった。プッチーニは包括的な愛を贖いの手段として描くという考えに興味を持ちながらも拒絶し、そのようなユートピアを描くことはできなかった。彼が亡くなった時には断片だけが残され、リコルディ出版社はプッチーニの遺したスケッチを基に作曲家フランコ・アルファーノにオペラの完成を依頼した。
あらすじ
時と場所:いつとも知れない伝説時代の北京
第1幕
宮殿(紫禁城)の城壁前の広場。役人が群衆に宣言する「美しいトゥーランドット姫に求婚する男は、彼女の出題する3つの謎を解かなければならない。解けない場合その男は斬首される」今日も謎解きに失敗したペルシアの王子が、月の出とともに斬首されるべく、喝采する群衆の中を引き立てられてくる。敗戦により、国を追われて放浪中の身であるダッタン国の王子カラフは、召使いのリューに手を引かれながらさ迷う盲目の父、ダッタン国の元国王ティムールを発見し、3人は互いに再会を喜ぶ。ペルシア王子処刑の様子を見にトゥーランドット姫が広場に現れ、カラフは一目見てその美しさの虜となる。ティムール、リュー、そして宮廷の3大臣ピン、ポン、パンが思いとどまるよう説得するが、カラフはトゥーランドットの名を叫びながら銅鑼を3回打ち鳴らし、自らが新たな求婚者となることを宣言する。第1幕では、トゥーランドット姫は一切声を発さない。
第2幕
ピン、ポン、パンの三大臣が軽妙なやりとりで姫とカラフの噂話をしている。そのうち、帝の出御となり群衆が集まる。万歳の叫び声の中、皇帝アルトウームがカラフに無謀な試みをやめるよう説得するがカラフは耳を貸さない。こうして姫が冷やかな表情で出てくる。
カラフの謎解きの場面。トゥーランドット姫は、何故自分がこのような謎を出題し、男性の求婚を断ってきたのかの由来を改めて述べる「かつて美しいロウ・リン姫は、異国の男性に騙され、絶望のうちに死んだ。自分は彼女に成り代わって世の全ての男性に復讐を果たす」。
第一の謎「毎夜生まれては明け方に消えるものは?」カラフ曰く「それは希望」第二の謎「赤く、炎の如く熱いが、火ではないものは?」「それは血潮」カラフは2つまでも正解を返す。最後の謎「氷のように冷たいが、周囲を焼き焦がすものは?」カラフは暫く悩むが、これも「トゥーランドット!」と正答する。
謎がことごとく打破されたトゥーランドット姫は父アルトゥーム皇帝に「私は結婚などしたくない」と哀願するが、皇帝は「約束は約束」と娘に翻意を促す。カラフは姫に対して「それでは私もたった一つの謎を出そう。私の名は誰も知らないはず。明日の夜明けまでに私の名を知れば、私は潔く死のう」と提案する。
第3幕
北京の街にはトゥーランドット姫の命令が下る。「今夜は誰も寝てはならぬ。求婚者の名を解き明かすことができなかったら住民は皆死刑とする」カラフは「姫も冷たい部屋で眠れぬ一夜を過ごしているに違いない。夜明けには私は勝利するだろう」とその希望を高らかに歌う。ピン、ポン、パンの3大臣は多くの美女たちと財宝を彼に提供、姫への求婚を取り下げるよう願うが、カラフは拒絶する。ティムールとリューが、求婚者の名を知る者として捕縛され連行されてくる。名前を白状しろ、とリューは拷問を受けるが、彼女は口を閉ざし、衛兵の剣を奪い取って自刃する。リューの死を悼んで、群衆、3大臣など全員が去り、トゥーランドット姫と王子だけが残される。
王子は姫に熱い接吻をする。リューの献身を目の当たりにしてから姫の冷たい心にも変化が生じており、彼を愛するようになる。ここで王子ははじめて自らの名がカラフであることを告げる。「名前がわかった」と姫は人々を呼び戻す。
トゥーランドットとカラフは皇帝の玉座の前に進み出る。姫は「彼の名は……『愛』です」と宣言する。群衆は愛の勝利を高らかに賛美、皇帝万歳を歌い上げる中、幕。