さまよえるオランダ人 - リヒャルト・ワーグナー (1813 – 1883)
ロマン派オペラ(3幕)
作曲・台本:リヒャルト・ワーグナー
初演:1843年1月2日 ドレスデン
ベルリン・ドイツ・オーパー初演:2017年5月7日
約2時間15分 / 休憩なし
ドイツ語上演(ドイツ語・英語字幕付き)
プレレクチャー(ドイツ語):各公演45分前に開催
公演について
「さまよえるオランダ人」は、呪われた男、社会のはみ出し者、追い詰められた存在です。リヒャルト・ワーグナーは、この伝説的な漂泊者をハインリヒ・ハイネを通じて知り、ハイネ特有の皮肉を帯びたロマン主義的題材に触発されました。しかしワーグナーが魅了されたのは、風刺ではなく、謎めいた船乗りの物語――そして彼を救う女性を求める旅でした。生と死のはざまで彷徨うオランダ人は、同じく孤独と疎外感を抱えるゼンタと出会います。ゼンタは、自分の想像から生まれた理想の男性像としてのオランダ人を求めています。
1841年に作曲され、1843年にドレスデンで初演されたこの作品は、グランド・オペラ的なリエンツィの後に、ウェーバーやマルシュナーのようなドイツ・ロマン派オペラの伝統に回帰しています。さまよえるオランダ人はまた、ワーグナー独自の音楽劇の始まりであり、「死による愛の救済」というテーマが初めて核心に据えられた作品です。
あらすじ
第1幕(第1ビルト)
舞台はノルウェーのフィヨルドに面した港町。ダラントは一時避難で自らの家のあるここに投錨する。すると遠くから、黒いマストに真紅の帆を立てた幽霊船が現れる。幽霊船の船長のオランダ人は「呪いを受け7年に一度上陸できるが、乙女の愛を受けなければ呪いは解かれず、死ぬことも許されずに永遠に海をさまよわなければならぬ」と嘆く。
ダラントはオランダ人から財宝を渡され、娘ゼンタと引き会わすことを約束してしまう。
第2幕(第2ビルト)
ゼンタはオランダ人と出会い、その不幸に心打たれ、救いたいと思う。ゼンタはオランダ人の肖像を見ては思いを募らすばかりである。しかし、ゼンタはエリックという青年に愛されている。
ゼンタは父とオランダ人に説得され、オランダ人につき従うことを約束する。
第3幕(第3ビルト)
第1幕の港町に再びオランダ人の幽霊船が現れる。オランダ人に会おうとするゼンタ。それを引き止めるエリック。オランダ人はエリックのゼンタへの愛を見て「裏切られた」と言い、帆をはり去っていく。ゼンタは自らの純愛を岩の上から叫び、貞節を証明するために海に身を投じる。ゼンタの純愛を得た幽霊船は呪いを解かれ、死を得て沈没する。そしてオランダ人とゼンタは浄化され昇天していく。